世界一の清潔さを支えるカリスマ!新津春子さんとは
2026年5月18日放送のドキュメンタリー番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』で再特集され、大きな反響を呼んだのが、羽田空港のカリスマ清掃員・新津春子(にいつ はるこ)さんです。
羽田空港が「世界一清潔な空港(SKYTRAX社評価)」に何度も選出される裏には、彼女の妥協なき「清掃への情熱」がありました。今回は、番組で紹介された新津さんの数奇な経歴と、プロフェッショナルとしての驚くべき仕事の流儀についてまとめました。
壮絶な生い立ちと「清掃」との出会い
新津春子さんは、1970年に中国の瀋陽市で生まれました。父親は第二次世界大戦後に中国に取り残された「中国残留日本人孤児」であり、母親は中国人です。幼少期は「日本人」という理由でいじめを受け、17歳で家族と共に日本へ帰国してからは、今度は日本語が話せないことで「中国人」として差別を受けるという、壮絶なアイデンティティの葛藤を抱えて育ちました。
日本語が不自由だった新津さんが、日本で唯一見つけることができた仕事が「清掃」のアルバイトでした。「清掃は、言葉が通じなくても、自分のやった結果が『綺麗になる』という形で目に見える。私を認めてもらえる唯一の場所だった」と彼女は語ります。
「掃除」を「芸術」の域まで高めた驚異の技術
番組内でカメラが捉えた新津さんの清掃風景は、まるで熟練の職人かアスリートのようでした。
彼女の凄さは、ただ汚れを落とすだけでなく、**「素材(石材、金属、ガラス)の種類を見極め、80種類以上の洗剤を使い分ける」**という専門知識にあります。
例えば、水飲み場のステンレス。彼女は強すぎる洗剤で金属の表面を傷つけることを良しとしません。素材に合った優しい洗剤を使い、力の入れ加減を調整しながら、新品同様の輝きを取り戻します。また、空港利用者が落とした見えない「ホコリ」の動きを計算し、空調の風向きまで考慮してモップをかけるという徹底ぶりです。
「人に優しい空間を作る」という流儀
新津さんが清掃において最も大切にしているのは、「汚れを落とすこと」ではなく、**「そこを利用する人々の気持ちを想像すること」**だと言います。
「羽田空港には、これから楽しい旅行に向かう人もいれば、悲しい別れを経験する人もいます。どんな気持ちの人であっても、空港が綺麗であれば、少しでも心が安らぐはずです。」
この思いから、彼女は常に利用者の目線(時には這いつくばって子供の目の高さ)になり、危険な突起物がないか、不快な匂いがないかをチェックしています。彼女にとって清掃とは、単なる作業ではなく「最高のおもてなし」なのです。
まとめ:新津春子から学ぶ仕事への誇り
『プロフェッショナル 仕事の流儀』で描かれた新津春子さんの姿は、「どんな仕事であっても、自分の心一つで世界一の価値を生み出すことができる」という強いメッセージを私たちに伝えてくれました。
彼女の技術や心構えは、著書『世界一清潔な空港の清掃人』などでも詳しく紹介されています。次に羽田空港を利用する際は、ピカピカに磨き上げられた床やガラスを見て、新津さんをはじめとする清掃スタッフの皆さんの「見えない努力」に思いを馳せてみてください。


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