【建もの探訪】街につながる広大な「土間」のある家!現代住宅における多目的空間の新しい可能性(東京都江東区)
渡辺篤史さんが全国のユニークな住宅を訪問し、その魅力を紹介するテレビ朝日系の長寿番組『渡辺篤史の建もの探訪』。2026年5月2日の放送回では、「街につながる土間のある家」と題して、東京都江東区にある佐藤邸が紹介されました。
間口がわずか3.8mという、都内特有の細長い敷地(ウナギの寝床)に建てられた3階建ての住宅ですが、中に入るとその狭さを全く感じさせない驚きの空間が広がっていました。特に目を引いたのが、1階の大部分を占める広大な「土間(どま)」です。昔の日本家屋には必ずあった土間が、現代の都市住宅においてどのような新しい役割を果たしているのか、番組の見どころとともに解説します。
玄関を開けると、そこは「外」と「内」の境界線
佐藤邸を訪れた渡辺さんが玄関の引き戸を開けると、いきなり目の前に広々としたコンクリート打ちっ放しの床空間が現れました。これが、この家の最大の特徴である「1階の土間」です。
通常の住宅であれば、玄関を入るとすぐに靴を脱いで廊下やリビングに上がりますが、佐藤邸の1階は、玄関から奥の庭まで土間が一直線に貫いています。この土間は、自転車やバイクをそのまま乗り入れて整備できる「ガレージ」として機能するだけでなく、将来的にカフェなどの「店舗」や「ギャラリー」として地域の人々に開放することも想定して作られているそうです。
まさに、プライベートな「家の中」でありながら、パブリックな「街(外)」とシームレスに繋がることができる、非常にユニークで開かれた空間設計です。
細長い敷地の弱点を克服する「5mの吹き抜け」
間口が3.8mしかない細長い敷地の場合、どうしても家の中が暗く、風通しが悪くなりがちです。しかし、2階に上がると、そのネガティブなイメージは完全に払拭されました。
2階のLDK(リビング・ダイニング・キッチン)には、なんと高さ5mにも及ぶ巨大な「吹き抜け」が設けられていました。この吹き抜けと、計算して配置された高窓のおかげで、細長い家とは思えないほど明るい自然光がたっぷりと降り注ぎます。渡辺さんも「この開放感は素晴らしいですね。光の入り方が絶妙です」と大絶賛していました。
夫婦それぞれの独立した空間「3階の書斎とキャットウォーク」
階段を上がって3階にたどり着くと、そこには吹き抜けを挟んで向かい合うように、ご夫婦それぞれの独立した「書斎」が配置されていました。
お互いの気配を感じながらも、しっかりと自分の作業に集中できる適度な距離感が保たれています。さらに、二つの書斎を繋ぐ通路は、1階の土間から見上げることができる吹き抜け上の「キャットウォーク」になっており、壁一面が造り付けの本棚(ライブラリー)になっていました。
限られたスペース(坪数)を縦の空間(立体)を使って最大限に有効活用する、建築家のアイデアとテクニックが随所に光る設計です。
まとめ:ライフスタイルの変化に寄り添う「土間」の魅力
今回の『建もの探訪』で紹介された佐藤邸は、現代の都市住宅における「土間」の新しい可能性を見せてくれました。
土間は単なる「靴を脱ぐ場所」ではなく、趣味を楽しむアトリエになり、子供の遊び場になり、さらには地域の人々と交流するパブリックスペースにもなり得ます。コロナ禍を経て、家の中で過ごす時間や「職住一体」の働き方が見直されている今、佐藤邸のような「用途を限定しない多目的な土間」を取り入れた住宅は、今後ますます人気が高まっていくのではないでしょうか。


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